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親亡き後問題

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2016.09.06

障がいのある子を親が介護しているが、親の老後や亡くなった後にも引き続きその子が不自由のない生活を送れるか不安に感じている。

これを親なき後問題といいます。

親なき後問題に成年後見制度を利用するのは、解決する方法の一つといえます。

ひとつの事例を見てみましょう

ケース

父A、母B、一人息子のCの三人暮らし。

Cには知的障害があるが、現在AとBは元気なので、Cの世話をしている。

しかし、将来AとBが病気や亡くなったらCはどうなるか心配である。

親戚とはあまり交流がなくCの世話を頼めそうもない。

法定後見制度を利用するタイミングとは?

現在AさんとBさんが元気でしたらこのままCさんの面倒を見ていくことでいいのですが、この先Aさんが亡くなり、ひとり親になったBさんが病気や認知症になってからCさんの成年後見申立をするのでは、Cさんにとってもあまりいいタイミングとはいえません。

Cさんのお世話ができる親が一人になってしまった時期あたりを目安に、Cさんについて法定後見制度を利用することを考えるといいかと思います。

片親が亡くなったときに出来ることとは?

仮にAさんが亡くなり、Cさんの法定後見制度を利用する場合、当初はBさんお一人が後見人となられても構わないです。

そして、Bさんがある程度高齢になられてご自身の健康などご不安に感じ始めてきたようでしたら、専門職の後見人を追加で選任し、Bさんと共に(後見人は複数でも構いません。)後見業務を進め、ゆくゆくは専門職の後見人一人に業務を任せていく方法ですと、Cさんにとって精神的な負担も少ないと思います。

親の負担を減らすために出来ることとは?

また、Bさんが将来認知症やお体が不自由になった場合に、Cさんの負担を減らすためにもBさん自身が任意後見契約、財産管理委任契約(※)を結ばれることをお勧めします。

 

  • 財産管理委任契約とは、日常的な事務処理を専門職などの特定の人に代わりに行ってもらう契約です。開始の時期やお願いする内容は自由に決めることができます。

依頼する方の判断能力は十分にあるが、体の具合が良くないなどで、外出するのが難しくなってしまったため利用する場合が考えられます。

 

任意後見契約、財産管理委任契約を結ぶことによって、Bさんが将来認知症になった場合でも、スムーズにBさんの財産からCさんへ援助をすることができます。

他のケースではどうする?

しかし、親なき後問題は、ご両親の財産の内容や、障害のある子どもに兄弟がいるか、周りにサポートしてくれる親戚がいるかなど、具体的なケースによって対応が様々で、非常に難しい問題です。

成年後見制度だけでなく、遺言や家族信託などと併せて利用する方がいいケースもありますので、専門家へご相談されることをお勧めします。

この記事を書いた人

森住 都

森住 都

司法書士 埼玉大学教育学部卒業後、女性司法書士が活躍する本に影響を受け、司法書士の道を志す。 平成10年から大手司法書士法人や地元密着型の司法書士・弁護士事務所などの勤務を経て、平成27年にみやこ司法書士事務所を開設。 当事務所の理念 ・ 1、誠実に業務を遂行します。2、お客様に安心感を提供します。3、日々成長する努力を怠りません。 現在は、主に相続、遺言、成年後見など高齢者サポート業務に取り組んでいる。

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