文字サイズ

もし、遺言がなかったら?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2016.04.07

最近、人生の最後を締めくくる重要な意思表示である遺言の必要性が見直されています。相続手続きをシンプルにする、という意味でも遺言は大切な役割を果たします。今回は、遺言書がなかったら、遺された相続人の方はどのような手続きが必要なのか、について不動産登記手続を中心にお話したいと思います。

民法では法定相続分というものが定められています。(例えば、配偶者と子が相続人のときは、2分の1ずつ。配偶者と親のみが相続人のときは、それぞれ3分の2、3分の1。配偶者と兄弟のみが相続人のときは、それぞれ4分の3、4分の1)不動産の場合、夫婦以外の誰かと簡単に持分を持ち合ってしまうと後々トラブルが起きやすいので、単独で所有されることが望ましいです。法定相続分とは異なる持分で分けるときに必要なのが、遺産分割協議です。

遺産分割協議を有効に成立させるためには、様々な要件があります。①相続人全員が参加すること。相続人の中に、疎遠な方がいるとき、または関係が上手くいっておらず、手続きに協力してもらえない可能性があるとき、とても困ってしまいます。②参加者全員に意思能力があること。相続人の中に認知症や知的障害をもつ方、または未成年がいる場合は裁判所の関与が必要となります。③相続人全員が協議の内容に賛成すること。協議の内容をまとめた「遺産分割協議書」には、相続人全員が実印を押印し、法務局に提出するときには印鑑証明書の原本をつける必要があります。

ご自分が亡くなった後、例えば妻にご自宅を単独で所有してもらいたいと思ったとき、その方は相続人全員と連絡をとり、自分が単独でご自宅を相続することを了承してもらい、遺産分割協議書に実印を押してもらい、印鑑証明書を取ってくださるようお願いしなければなりません。もし、1通遺言書を書いていればこのような遺産分割協議をすることなく手続きできる可能性が高いのです。次回からは、遺言書の書き方についてわかりやすくご説明していきたいと思います。

この記事を書いた人

浅沼礼奈

浅沼礼奈

司法書士 早稲田大学法学部卒業後、司法書士法人日本橋アルクに入所。平成19年に司法書士試験に合格し、以来、商業施設の信託案件、新築マンション分譲、事業再編等大型案件から個人の住宅の売買・借換・相続まで幅広く登記業務を経験。 平成25年に司法書士登録し、事務所のパートナーとなる。迅速かつ正確な手続きと、丁寧にわかりやすくお客様に伝えることをモットーとしている。

関連記事