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事実婚の場合の遺族年金はどうなる?

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2016.05.31

理由があって籍を入れていない夫婦の場合(事実婚)でも、公的な遺族年金を受給することが出来ます。

ただし、一般的な戸籍も住民票も一緒なケースからすると、状況によっては非常に難しく請求をしてからの審査期間も長くなる傾向にあります。

請求時に大事なことは?

事実婚により遺族年金の請求をする際には、世間から夫婦として認識されていたということが分かる客観的な資料が必要になります。例えば、健康保険の被扶養者になっていた、年賀状を連名で受け取っていた、葬儀の喪主をした、生命保険の受取人になっていた等です。

 

事実婚のケースで、もともと夫婦だったが離婚しその後一緒に住んでいることがあります。この場合は、生計維持なのか離婚による財産分与なのかが争点になることがあります。例えば、元夫名義の家にそのまま住んでいる場合、名義変更をしていないだけの財産分与と受け取られる場合もあります。そのため、遺族年金請求時には、どのような経緯で現在の状況にいたったのか、分かりやすく説明する必要があります。

 

また、事実婚で別居している場合もあるかと思います。この場合、生計維持関係を証明するのは、銀行の通帳の送金履歴など証明が出来るものが無い場合には難しく、審査される方が納得するような申し立てが必要です。生計維持の証明のためには、一緒に住んで住民票が同一であるほうが書類を整えやすいとは思います。

 

一般的に、遺族年金が決定されるためには、なぜ事実婚でなければならなかったのか?なぜ別々に住んでいたのか?という理由や経緯を、審査される方が納得できるように申立書を作成することが重要だと感じます。

事実婚の請求で注意すること

ところで、亡くなった方が国民年金のみに加入をしていた場合で連れ子がいる場合は、注意が必要です。国民年金の遺族基礎年金は、18歳未満の子どもがいることが要件になりますが、その子どもが亡くなった方と養子縁組をしていないケースは、受給が出来ません。

ただし、認知された子は遺族になります。この場合、裁判による死後の認知ですと、受給権は死亡時まで遡らず、裁判で認知が決定された後からの受給になります。

この記事を書いた人

宮下 麻衣子

宮下 麻衣子

社会保険労務士 中央大学経済学部卒業後、東証一部上場企業のメーカー勤務等、様々な仕事を経験するうちに「人の人生に関わる仕事をしたい。」と思うようになり社会保険労務士を取得。 日本年金機構の「ねんきんダイヤル」で年金相談員、スーパーバイザーを経験。 現在は、ゆい社会保険労務士オフィスを独立開業。労務相談や労務手続き、年金相談を受けている。また、遺族年金や障害年金の請求代行を受けている。特に複雑なケースの遺族年金の請求代行について経験が豊富。

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