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重婚的内縁関係の遺族年金請求

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2016.07.01

重婚的内縁関係とは?

まず、重婚的内縁関係とはどのような状態をいうのでしょうか?

一般的に、事例として多いのは、何らかの理由があり別居している夫婦の夫の家に、妻とは別の女性が長い間一緒に生活をしていたというケースです。

夫が亡くなって初めてその女性の存在が分かるケースもあります。

 

公的年金の法律においては戸籍上の婚姻の届出があったかどうかよりも、事実上婚姻関係と同様にあるのはどちらかということが重要視されます。

そのため、“重婚”というのは実際に戸籍上そのようになっているわけではなく、戸籍上の配偶者がいながら、内縁関係の別の異性がいる状態をいいます。

このような場合に、問題になるのは、どちらの方が遺族年金を受給できる資格があるかということになります。

法律上の妻と内縁の妻、どちらが優先されるの?

一般的に、内縁関係の配偶者が年金を受給しようとする場合には、年金を受給する上で重要視される生前の生計維持の有無のほかに、法律上の夫婦関係が形骸化していたかどうか、そしてその状態がずっと続いていたかどうか(10年前後が目安といわれています。)もみられます。

 

つまり、重婚的内縁関係の場合の遺族年金請求では、法律上の夫婦の方が優先されるため、どちらにも生計維持関係があった場合には、法律上の配偶者が年金を受給できるとされています。

どちらの配偶者がより遺族年金を受給するのにふさわしい存在なのかは、それぞれが遺族年金を請求することで審査がされます。

例えば、法律上の妻が年金を請求し、そこに内縁の妻も年金を請求することでどちらが受給すべきなのか審査がされます。このようなときには、年金請求後に追加で確認書類が送られてくることが多いです。

夫婦関係はそれぞれ違うので個別相談をお勧めします。

では、具体的にどのような状況ならどちらが有利か、という話になりますが、それは夫婦ごとにそれぞれ事情が異なります。

私も多くのご相談を受けて参りましたが、同じ事例というのはございませんでした。そのため、こういうケースなら大丈夫、というようにはっきりと申し上げられるケースは残念ながら申し上げられません。

ただ、例えば、単身赴任をしている夫を支え、長年一人で子育てに奮闘をしてきた妻に内縁の妻がいたなど、このようなケースは当然ながら妻に遺族年金の受給権が決定されました。

 

遺族年金はお金も大事ですが、心の点でも大事だと感じています。

もしこのようなご状況で遺族年金の請求で悩まれている場合には、多くの裁決例をふまえ、ご相談に乗らせていただきます。

この記事を書いた人

宮下 麻衣子

宮下 麻衣子

社会保険労務士 中央大学経済学部卒業後、東証一部上場企業のメーカー勤務等、様々な仕事を経験するうちに「人の人生に関わる仕事をしたい。」と思うようになり社会保険労務士を取得。 日本年金機構の「ねんきんダイヤル」で年金相談員、スーパーバイザーを経験。 現在は、ゆい社会保険労務士オフィスを独立開業。労務相談や労務手続き、年金相談を受けている。また、遺族年金や障害年金の請求代行を受けている。特に複雑なケースの遺族年金の請求代行について経験が豊富。

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