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ウチはそんなに財産ないから相続対策は不要!・・、という方へ

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2016.04.07

日本の相続税は、明治38年に日露戦争の戦費調達のために導入されました。

戦争が終わっても相続税の制度は残り、現在では特定の人に集中した富を社会に還元するなどの理由で他の税金よりも高い税率で課税されています。

 

日本は相続税が存在する国ですので、「相続対策」というと、税金を安く抑え、財産を減らさずに承継する「相続税対策」が一番に掲げられるのも無理はありません。

 

平成27年12月の国税庁の報道発表資料によると、平成26年中に亡くなられた方(被相続人数)は約127万人であり、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約5万6千人で、課税割合は4.4%でした。(平成27年の改正により相続税が増税となっておりますので、課税割合は6%超になると試算されております。)

 

従って、多くの方が「自分は残りの95%だから、うちには相続対策は不要」と考えてしまうのです。

そこが大きな誤解の種になっています。

 

確かに、その「残りの95%」の方は、相続税の心配はいらないかもしれません。

しかし、税金は関係なく、自分の死後の財産承継は100%行われます。(相続人がいない場合等には、その財産は国の帰属となります。)

要するに、遺産相続は100%起こり得るものなのです。

 

遺産相続は、相続人間で円満に行われることも多いでしょう。

逆に、円満に行われない場合も少なくはないのです。

 

実は、遺産争いはお金持ちの家庭だけの問題ではなく、むしろ遺産が少ない方が深刻な問題となることが多いのです。

裁判所の司法統計(※)によると、遺産分割争いのうち、遺産の価額が5000万円以下である場合が全体の74.9%、そのうち1000万円以下である場合が全体の31.9%となっています。

 

「うちの子供たちは仲が良いから大丈夫」「うちに限って争いが起こるわけはない」「自分が死んだら、みんなでどうにかしてくれ」

 

相続は人の死亡を基因として発生するものです。

日本では「死」は忌みに通じることから縁起が悪いという理由で、死後についての思考を停止させてしまっているのが現状です。

 

しかし、残された家族の幸せは、もしかしたらあなたにかかっているかもしれません。

 

必ず訪れる相続について目を背けずに、「相続対策」でご家族の幸せを考えてみませんか?

 

※平成26年「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数-遺産の内容別遺産の価格別」

この記事を書いた人

若山昌美

若山昌美

税理士 大妻女子大学短期大学部卒業、役員秘書として鉄道会社に8年間勤めた後、税理士を目指して転職し、税理士資格を取得する。相続税について一般向け、銀行行員向け、会計事務所職員向けのセミナー講師や、ハウスメーカー主催の相続相談会の相談員を務める。中央区立女性センターの登録団体である女性士業ネットワーク「FLAPはばたき」代表。 常世田正之税理士事務所 所属税理士

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